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花尊し

花尊し

自傷

自傷とは



自傷とは、自分で自分を傷つける「行動の障害」であり、
頭を壁や床にぶつけたり、頭叩き、顔叩き、身体叩き、
手噛み、舌噛み、皮膚引っ掻き、髪抜き、爪剥ぎ等など、
青痣を作ったり出血したり、
はたで見ている者には切なく痛々しく感じられるものなのです。
酷くなると、自分で傷口を広げ化膿させたり、
顔面殴打で失明とか、悲惨窮まりないものなのです。



ここでは「自傷」というのはどういう意味合いの行為なのかということを


  1. 定説
  2. 異説
  3. 珍説


について考えてみます。



なお、広い意味ではアルコールやタバコ依存等も自傷行為と言うようですが、
ここでは上記の意味に限定します。




1.定説


(1)自傷は状況回避、避難行動



  1. 自傷は、何か自分の意に反する状況を回避するために行なっている行動
  2. 自傷は、自分にとって不快な場面を避けるために別の強い刺激を求めての行動
  3. 自傷は、意思表示の手段として止むを得ず行なっている拒否反応行動
  4. 自傷は、怒り、緊張、恐怖、不安、不満、絶望、後悔、悔しさ、
    焦燥感、喪失感、孤独感などの気持ちの表現、
    又はそれらを打ち消すために行なっている行動


(2)自傷は感覚強化(又は緩和)行動



  1. 自傷は、感覚が鋭すぎるためその刺激を自傷の強い刺激によって緩和するための行動
  2. 自傷は、鈍い感覚を研ぎ澄まそうとして刺激を強化するための行動
  3. 自傷は、鈍い感覚に替わる強い刺激を求めるための行動


(3)自傷は自己顕示、意思表示行動



  1. 自傷は、注目要求、関係要求を意味する行動
  2. 自傷は、コミュニケーションの方法としての行動
  3. 自傷は、人との関わり不調の結果としての行動


2.異説


(1)認知不全説


自閉症児は自分自身の内部と外部を区別出来ず、
自身と外界との境界線を認識出来ないため、
例えばクレーン現象で利用した他人の手は自分の身体の一部であり、
自分の意志で動いていると思っているらしい。

又、自分の身体は自身の内部なのか外部なのかを刺激を加えて確かめている。



欲求が拒絶され不機嫌になった場合は、
怒りを向けるべき相手としての外部を認識できず、
自分の内部で怒りを解消するために自傷行為で自分自身を傷つけてしまう。



(2)自殺願望説



  1. ストレス、自己嫌悪・鬱状態による、自身の存在否定、自己破壊的行動、自殺願望行動
  2. 死にたいのではなく自分自身を消し去りたい、
    自分の存在に耐えられない、
    現実に耐えられない、幻滅、
    考えるより痛みに身を任せている方が楽、
    身体の痛みの方が心の痛みよりまし、
    などの現実逃避行動
  3. 愛情不足から自己の存在感が希薄となりその結果としての行動
  4. 刃物で手首を切るリストカット(喪失感、自己処罰、自我の回復)
  5. 理解と救援を求めてのSOS発信行動
  6. 痛覚による自分の存在確認、生の確認行動
  7. 被害妄想、幻覚、ヒステリーによる衝動的行動


3.珍説


(1)快楽説


人間は快楽を求める動物であり、
生きるため食べ、美味いと思うのは快楽であり、
子孫を残すための行為は丸っきりそのもの。
その生殖の結果として残ったのが今現在の我々生き物達。
欲望は生きる原動力であって、何ら
賤しいものではないし、
快楽を求めて生きるのが、
生き物の宿命であり、
そういう観点から自傷は一種の快楽とも、
思えます。



自閉児の自傷は気持ち良いからやっているようには見えないけれども、
自ら苦行する修行者とか、SMプレイに興じる者とか、
普通の人が見たらとても痛そうに見えても
当人は良い気持ちなのかも知れません・・


自傷らー(自傷愛好者)は
リストカットで極限状態への自己陶酔に浸っています。


自傷行為はある意味、変な達成感をもたらすので、
くせになりなかなか止められず、やめられない自分にまた嫌気がさす、
という悪循環におちいる、と言う人も居ます。

自傷行為は、自分で刺激をコントロール出来るため、
予期しない事が起きないという安心感があり、
楽しく、気持ちがいいもので、それが、ある故に、
自分自身の存在がある、と、言う人も現実にはいて、
不安な時、パニックになった時、自分の血を見て、
安らぎを覚える、という不思議の世界が在るのです。



誰かに命令されてやっているのではなく、
自らの意志でやっているのであるから、
それが本人にとって「悪いこと」である訳は無いと思えます。
本人が自らの意思でやっている事が
本人にとって「悪」である筈はないのではないでしょうか。





脳内麻薬物質は
体温、呼吸、食欲、胃腸運動、神経内分泌機能の調節や免疫系での作用、
陶酔感の発現など幅広い機能を有すると考えられる。
脳内麻薬物質の大量分泌で精神活動の麻痺や感情鈍麻といった状態に入り、
これは、闘争も回避もできない深刻なストレスにさらされた生物に、
「最期の救い」をもたらすことを意味し、完全な降伏と受身の態勢をとり、
現実感の無さによって生物は静かに捕食者の餌食となるという。

笑う事やランナーズハイ、大怪我、苦行、接食障害者の嘔吐、
リストカット等の自傷行為によっても、ムチでたたいても(SMプレイ)、
脳内麻薬物質(βエンドルフィン)が分泌され、
苦しみを和らげ、現実感の喪失、快楽現象を生んでいるという。

リストカットなど自傷をする際だけに痛みを感じないで、
ぼーっとして満足感が得られるという人がいる。
リスカは視覚優位で血をみて初めて死を思うという。






(2)脳障害説


脳の働き・作用は誰もが皆同じではなく、
脳の中を覗いてみれば、脳神経の配線(比喩的意味で)が混線していて、
痛みが快感って事も有り得ます。

本人が「痛い」か「気持ち良い」かは他人が
判断出来るものではなく、自分がそうだからと言って
他人もそうであるとは言えないのです。
刺激を感じ取るのは脳の働きによるものだから
脳の配線がどこか違えば感じ方も違うのではないでしょうか。


痴呆老人の自傷も脳の配線が劣化したためでしょう。





考察、と言うより感想



定説は、身近で自閉症児に接している親、教職員、施設職員等の
実感としてはうなずけるし、
実践の中から生まれる理解こそ本当の理解と言えるが、しかし、
当人のすぐ近くに居るため当人よりも自分の感覚を優先してしまい、
錯覚に陥ってしまっている可能性があるのではないでしょうか。
相手に同化し理解したつもりにならなければ自閉症児の療育など出来ないであろうから、
それはやむを得ないことではあるが、
その分かえって物の本質が見えなくなってしまっている恐れがあるのではないでしょうか。


異説(1)は、情報を統合する能力の欠陥、認知能力の欠如の結果
として説明出来るのではないでしょうか。

異説(2)は、「ためらい傷」のように、死ぬことではなく別の所に目的が有る訳で、
定説(1)に近いのではないでしょうか。


珍説は、「自傷らーの自傷」と「自閉症児の自傷」が同質のものである、
という仮定に立っているが、生き物としての人間の本質を衝いており
有り得ない事ではないと思います。
食事を十二分にとり満腹になれば食欲は一時消失するように、
自傷も発生原因が解消されればその欲求も鎮静化するのでしょう。
ただ、自傷行為を自分自身ではどうしようもなくて苦しんでいる、
と言う人も居て、果たして自傷は自分自身の意思による行為と言えるのか、
激情による自己制御不能状態なのか、
といった疑問も有ります。



原因(理由)からみた説に対し、
目的から見れば、


  1. 死の一歩手前の未遂を目的とする自傷説(未練者)
  2. 快楽目的説(自傷愛好者)
  3. 他の目的説(自閉症児 & 痴呆老人たち






女性の「自傷愛好者」から次のようなメールを頂きました。



自傷愛好者なんていう不愉快な呼び方
を改めてください。
今すぐに。
私達は好きで自分を傷つけているんじゃありません。
生きる為に、切っているのです。
何も判っていないくせに偉そうな事言わないで下さい。








自傷とは
投稿者:偶然このサイトを見つけた者です。 投稿日:2010/07/11(Sun) 20:08 No.469
『自傷とは』というページで「女性の『自傷愛好者』から次のようなメールを頂きました。」と書いていましたが、 自傷愛好者という呼び方を不快に思ってメールした方を馬鹿にしていらっしゃるのでしょうか?
どういう意図で書いたのかは解かりませんが、私はそう感じました。 少なくとも、あのページにメールの内容を載せたのであれば、一言謝罪をすべきだったと思います。

Re: 自傷とは
おーや - 2010/07/11(Sun) 22:29, 12(Mon) 20:19 No.470 & 471


(その部分を再掲します)
女性の「自傷愛好者」から次のようなメールを頂きました。

自傷愛好者なんていう不愉快な呼び方を改めてください。今すぐに。
私達は好きで自分を傷つけているんじゃありません。生きる為に、切っているのです。
何も判っていないくせに偉そうな事言わないで下さい。
(再掲終わり)



「何も判っていないくせに偉そうな事言わないで下さい」ということですが、 『何も判っていない』のは確かにその通りです。
しかし、
「私達は好きで自分を傷つけているんじゃありません。生きる為に、切っているのです。」
というようなことを言われても、解ることは出来ません。

『自傷愛好者』というような捉え方をしない限り理解不能であり、表現不可能なのです。

内面に問題をかかえた人の外面に表れた問題行動をいかに合理的に説明するか、 その説明の一つが自傷愛好者という表現なのです。 当事者には不愉快な表現であっても、一般的には「そんなものか」と、すんなり理解出来るのです。

当事者に不愉快な思いをさせて、それで良いのか、と、言われるでしょうが、 一般の人はそう思っているのだ、と、当事者に認識させることが、 奥深い所に有る問題をえぐり出し、その解決策を見つける第一歩となるかも知れません。

どーせ分ってもらえないんだ、と、依怙地にさせてしまう恐れも有りますが・・



()___()

(・●・)










自傷を活かすには
ここでは「自傷」を前向きに捉え活かすには どうすれば良いかということを考えてみます。


1.自傷 マシン の提案
「自傷 machine」とは、テンプル・グランディンの hug machine(締め付け機)の様なイメージの物で、 自らの意志で制御出来き、仮に命名すれば 「感覚刺激 machine」と言う感じで捉えて欲しい のですが、顔面殴打で失明とか、できた傷口から感染症に かかったり、という様なことのない安全で清潔な器具を 使って感情をコントロールしようという物なのです。 「自傷らー」を名乗る人々は自ら刃物を使用して自傷を しています。自閉児に刃物を持たせる訳には行きませんので 「自傷 machine」を使わせよう、という提案なのです。
色々な感覚刺激を好む特異な障害用に開発されたスヌーズレン機器には、 何種類もの心地よい感覚刺激を生み出すものがあるそうですが、 身体をひどく傷付けるほどの自傷に匹敵する感覚刺激を対象として、 その代替感覚刺激を与えるものもあるのかどうか、 知っておられる方は居ませんでしょうか?
2.考えられる反論
まあ「自傷 machine」などとは馬鹿げた考えにすぎないものであり、 考えられる反論は数限りなく、まったくその通りと 答えざるを得ません。

奇妙な機械は残酷な拷問では、との疑問を抱かれる?
一般的とは言えない方法が社会的認知を得られるか?
根本原因を残すより、取り除く事が先決なのでは?
変な機械を使うより自然体が BESTなのでは?
知的問題の在る人が制御する事の危険性?
体罰の手段として悪用されるのでは?
本人がOKを出してくれるか、又如何に導入するか?
真に本人の NEEDS に合致しているのか?
個人個人で機械がユニークにならざるをえない?
持ち運びの便など現場応用がスムーズに行くのか?
停電とか電池切れ時の人身事故の恐れ?
習慣化や過使用の弊害?
効果の確認、検証はどのようにするか?
実用化までに金と時間がかかり過ぎるのでは?
本体価格が高価すぎ、商業化、実用化、予算獲得が困難では?
メンテナンス体制、費用は?
etc..





[54] ロンロン牧場 - [99/6/7 19:16]
ぺんぎんでもカキコしましたが、自傷行為は、気持ちがいいもので、 それが、ある故に、私は、存在できると信じています。 不安な時、パニックになった時、私は、自分の血を見て、安らぎを覚えました。


真理子の世界もそうですが不思議の世界ですねえ・・
[From 管理人(塩入)]

[55] BIN - [99/6/21 11:16]
こんにちわ!
塩入さんご無沙汰です。
わが家のHARUの自傷は怒りに満ちていて
彼の思いを理解できない私や周りに向けられているように感じられて、
そう感じている分、こちらは辛くなってしまいます。

いろんなことがあって、私のHPがプリントアウトされて
施設職員の勤務室に置いてあったり、幹部職員に回覧されたりして
思惑いっぱいで、居心地が悪く、ここで愚痴りに来ているBINです。

言いたいことを言い過ぎてしまい、伝わらなかったり、
なぜ分からないんだ!という思いに突き当たり、言うべき言葉が見つからなかったり
24時間そこにいるのはHARUだから、やっぱり「人質」意識が私にもあるなぁと思ってみたり。
塩入さんは施設職員とのつきあい方はどんな風に考えていますか?


「自傷」についてはペンギンさんが掲示板で説明していましたが、
1.自前の刺激が楽しい。
2.叩いたり、痛い事をして、自分の体を確かめている。
3.怒り・不安・緊張・恐怖から逃れる為にするもの。

うちの真理子の場合は3.の逃避目的が当てはまるのかなあ
と思いますがよく分かりません。

施設職員とのつきあい方はやっぱり「人質」意識があるのか、
また、何か色々な限界が見えてしまい諦めに近いそれなりのつきあい
にしかなっていないような気がします。
[From 管理人(塩入)]

[97] hiro - [99/12/19 01:23]
はじめまして、HP見させていただきました。
私の子も自傷行為に悩む時期がありました
まだ、2才の頃だったでしょうか、床にガンガン頭を打ち付けていました
アスファルトの上でもコンクリートでも
何故そんなことをするのか気持ちをわかってやれない自分が情けなく思えて・・・
でも、とってもかわいくていい子ですよ
(そう思ってるのは親だけ?)


自傷行為は「物心」がつけば自制出来る様ですね・・
[From 管理人(塩入)]

[100] MARU-KH - [99/12/21 22:21]
英国国営大規模治療センター所長のジョー・キューウィン氏の講演は 大阪府社会福祉協議会のご協力で実現し、毎日放送MBSナウで放映もされました。
自傷の感覚刺激の代替感覚刺激を与える機器、スヌーズレンは、 非常に対応の困難な重度の感覚障害ゆえの、自傷の激しい方の為に開発され、 一種類の機器だけでなく、スヌーズレンルームとして、その中で対象者とかかわります。 光・香り・振動・触覚・音を通じてリラックスコミュニケーションを得る方法だそうです。
機器の数々は個人で買うのは高いですが、イギリスでは、 家庭の寝室などにスヌーズレンを置く家庭も多いそうです。
最近、学会もできたそうなので、検索されては?   MARU-KH


効能書は素晴らしいですねえ・・
[From 管理人(塩入)]

【情報】
HP「わたしと猫さん家族♪ドッキン物語」にスヌーズレン・グッズのことが出ていました。
http://www.thtntl-yume.net/sunoezelen.html(消滅)

スヌーズレンは、オランダ語の スヌッフレン(クンクン匂いを嗅ぐという意味) と ドゥーズレン(うとうとするという意味)からつくられた造語だそう
 
 
 
 
 
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